教授のご紹介
栗原正典
役職 : 早稲田大学教授 (創造理工学部)
学位 : Ph. D. 課程 テキサス大学オースチン校 地球・資源システム工学
2011年4月に石油・天然ガス開発のコンサルタント会社である日本オイルエンジニアリング株式会社(JOE)から早稲田大学に移籍した。JOE在籍中は、数々の油層評価、シミュレーション・スタディおよびシミュレータの開発・改良のプロジェクトに従事した。またその他にも、石油探鉱生産データバンク・システムの導入、アラブ石油大学校の基本設計、サウジアラビア・クウェートの石油技術者セミナーおよび石油天然ガス・金属鉱物資源機構(旧石油公団)海外技術者研修、等の教育プロジェクトにも参加している。 1992年に会社より派遣されてテキサス大学大学院博士課程に入学。3次元流線モデルを開発し、これを貯留層特性の不確実な部分の検証のためのトレーサー試験解析等に応用する研究を行い、1995年に博士号を取得した。 2000年4月に横浜で開催されたSPE Asia Pacific Conference on Integrated Modelling for Asset Managementおよび2011年7月に札幌で開催されたSPE Applied Technology Workshop on Challenges in Conventional & Unconventional Gas Developmentにおいて、技術委員会の委員を務める。また、2008年5月に米国ヒューストンで開催されたOffshore Technology Conference、2009年3月に米国ソルトレークシティで開催されたAmerican Chemical Society Spring Meetingおよび2010年5月に米国ヒューストンで開催されたOffshore Technology Conferenceのセッションチェアマンを務める。
一方で、2002年4月より2011年3月まで早稲田大学大学院の非常勤講師を務め、油層工学特論を教えていた。 2008年7月、ロシア自然科学アカデミー米国支部の会員に選ばれる。また、2010年4月、文部科学大臣表彰科学技術賞を受賞した。
<経歴等>
1978年
早稲田大学理工学部資源工学科卒業
1980年
早稲田大学大学院理工学研究科資源及び金属工学専攻修了
1980年
日本オイルエンジニアリング株式会社入社
1992年
米国テキサス州立大学オースチン校工学部石油工学科博士課程入学
1995年
米国テキサス州立大学オースチン校工学部石油工学科博士課程修了
2002年
早稲田大学大学院非常勤講師
2009年
日本オイルエンジニアリング株式会社取締役
2011年
早稲田大学理工学術院創造理工学部環境資源工学科教授
研究室の方針について
石油工学(petroleum engineering)の研究を行う研究室であるが、石油工学の中でも、貯留層解析、貯留層モデリング、生産挙動予測、埋蔵量評価、等の基礎となる油層工学(reservoir engineering)という学問を中心に教育・研究を行い、油層工学技術者(reservoir engineer)の卵を養成しようと努めている。油層工学技術者は石油開発においてはブレーン的な役割を果たすため、地質・物理探査、掘削、生産等の他分野にも精通していることが望まれ、また、海外石油会社と技術交流をしたり世界の油ガス田の情報を収集したりする必要もあり、包括的な知識・判断力等が必要とされる。単純な技術力だけでなく、そのような人間力が備わった学生を輩出したいと考えている。 また、中心は石油・天然ガスの開発に関する研究であるが、その他にも非在来型化石エネルギーや再生可能エネルギーに関しても積極的に研究の対象とし、研究分野を「石油工学」から「エネルギー資源工学」といったものに拡張していきたいと考えている。 研究室の学生にはゼミや海外の学会・インターンシップ参加の機会をできるだけ多く作り、これらを通して、(1)真の意味で国際的な学生、(2)基礎的な現象についての議論ができる学生、(3)自ら考えられる学生を養成したいと願っている。